GI値が低く太りにくい甘味料として有名なのが「アガベシロップ」です。それに加えて、サポニンやイヌリンなどの特徴的な栄養素が含まれており、美容や健康への効果も期待できると注目を浴びています。
そこで今回はアガベシロップの栄養素や効果について、詳しく解説していきます。
アガベシロップとは?
アガベシロップとは、ブルーアガベの根茎から採れる植物性甘味料のことです。アガベはメキシコや南アフリカが主な原産地で、300以上の種類があると言われます。シロップとして用いられるほかに、メキシコのお酒であるテキーラの原料としても使われています。
テキーラの原料と聞いて「お酒なのに甘いの?」という感想を持った方もいるかもしれませんが、アガベシロップは砂糖の1.3倍もの甘さを感じるといわれています。また、アガベシロップの特徴としてGI値が低いという性質がありますが、それは果糖が80%を占めており、ショ糖がほとんど含まれていないためです。
そのほかにも、健康や美容にうれしい栄養素がアガベシロップには含まれています。これについては後ほど詳しく解説しますね。
美容や健康の為に「代替糖」が話題
「甘いものが好き」という方はたくさんいると思いますが、一般に言う白砂糖は糖質の中でも吸収されやすい性質があり、脂肪になりやすいなどのデメリットがあります。そのほかにも砂糖を摂りすぎることで、以下のような体への悪影響が考えられます。
- 虫歯の原因になる
- 肥満になる
- 集中力が欠如する
- 生活習慣病になる
- 肌が荒れる など
こうした体への悪影響を最小限に抑えるために、砂糖の代わりとして「代替糖」というものが注目されています。
ハチミツ・メープルシロップ・ココナッツシュガー・てんさい糖など様々な代替糖がある中で、近年ひときわ高い注目を浴びているのがアガベシロップなのです。
アガベシロップの栄養素
アガベシロップにはタンパク質や炭水化物などの主要な栄養素のほか、ポリフェノールやビタミンE、ビタミンK、カリウムや鉄などのミネラルが豊富に含まれています。アガベシロップに含まれる代表的な栄養素がどのような働きをするのか、確認していきましょう。
ポリフェノール
アガベシロップには、ケルセチンとケンぺロールというフラボノイド(ポリフェノール)の一種が含まれています。それぞれ下記のような健康にうれしい働きをしてくれます。
- ケルセチン…玉ねぎなどに多く含まれているフラボノイドの一種で、抗酸化、抗炎症のほか、老化防止や血圧を下げるといった作用もあります。
- ケンぺロール…お茶やブロッコリーなどにも含まれているフラボノイドの一種で、抗酸化、抗炎症、抗がん作用などに期待が持てます。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、エイジングケアや抵抗力の増強などの効果が期待できます。また、ケルセチンとケンぺロールそれぞれに特徴的な働きがあるため、トータルで健康と美容をサポートしてくれると考えられます。
イヌリン
イヌリンとは水溶性食物繊維の一つで、主に腸内環境を整える働きをする成分です。具体的には下記のような働きがあります。
- 腸内環境を整える
- ミネラルの吸収を促進させる
- コレステロール値を低下させる
- 中性脂肪を減らす、など
イヌリンには腸内の善玉菌を増やしたり、短鎖脂肪酸の産生を助ける作用があるため、腸内環境を整えることができます。また、糖やコレステロールの吸収を遅らせる作用があり、食後血糖値の上昇を穏やかにしたり、血中コレステロール値の降下も促します。ナトリウムの排出も促進させるため、高血圧の予防にも期待が持てます。
ビタミンE
油脂に溶ける脂溶性ビタミンの一つで、α-トコフェロールなどの8種類の化合物の総称です。代表的な働きは抗酸化作用で、主に下記のような健康効果が期待されています。
- 細胞膜の酸化による老化を防ぐ
- 血液中のLDLコレステロールの酸化による動脈硬化を防ぐ
- 血栓を防ぎ、血行を正常に保つ
- 生活習慣病を防ぐ など
ビタミンEは抗酸化力を発揮すると、その役目を終えてしまいます。しかし、ビタミンEの抗酸化力を復活させる力を合わせ持っているのがビタミンCです。そのため、ビタミンCとビタミンEを一緒に摂ることで相乗効果が期待できますが、アガベシロップにはビタミンEに加えてビタミンCも含まれています。
サポニン
サポニンは、主にマメ科植物の根や葉などに含まれる苦味成分です。健康に良いとされる大豆や高麗人参、田七人参、ごぼうなどに多く含まれていることでも知られています。殺菌・抗菌作用や抗酸化作用も高く、下記のような多彩な健康効果が期待されます。
- 肥満を予防する
- コレステロール値を減らす
- 血流を改善する
- 免疫力を高める
- 肝機能を高める など
サポニンが肥満を予防するのは、脂肪の燃焼を促進するアディポネクチンの分泌を働きかける作用があるからです。アディポネクチンはインスリンの働きを正常に戻す作用があるため、糖尿病や動脈硬化の予防にも効果的と考えられています。
ミネラル
ミネラルは生体を構成する主要な4元素以外のものの総称です。代表的なのはカルシウムやリン、カリウムなどで、多量ミネラルと微量ミネラルの2つに分かれます。影響を与え合う性質があるため、バランス良く摂取することが重要ですが、アガベシロップにはカルシウムやカリウム、リン、マグネシウム、鉄などがバランス良く含まれています。
- カリウム…細胞内液の浸透圧を一定に保つ働きをしています。ナトリウムを体外に排出する働きがあり、塩分の摂り過ぎを調整することができます。USDA(アメリカ農務省)によると、含有量は100グラムあたり4mgで、はちみつの20倍とも言われています。
- カルシウム…骨や歯を形成する働きが知られていますが、そのほかには出血を予防する、筋肉の興奮を抑える、心筋の収縮作用を促すといった働きもあります。人体に最も多く含まれていますが、日本人は不足する傾向があります。
- リン…カルシウムに次いで多いミネラルです。骨や歯の材料になったり、細胞膜の成分になるほか、エネルギーを発生させる役割も担っています。その一方、多く摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害するといったマイナス要素もあります。
- マグネシウム…リンやカルシウムとともに骨を形成するミネラルです。300種類以上の酵素を活性化する働きもあり、さまざまな代謝を助ける重要な役割も担っています。
代替糖にはうれしい栄養沢山のアガベシロップを
GI値が低いアガベシロップは、太りにくい甘味料として知られており、健康やダイエットの強い味方です。しかしそれ以外にも、脂肪燃焼を促進させるサポニンや腸内環境を整えるイヌリンなどの特徴的な栄養素が含まれており、美容や健康にも効果的としてヴィーガンなどにも愛されています。うれしい栄養がたくさん入っている代替糖を探している方は、アガベシロップを摂り入れることも検討してみてください。
参考:
e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionaries/food
ALMA TERRA「アガベシロップとは」
http://agave-jp.com/about.html
IshiPedia「血糖値を上げにくい甘味料「アガベシロップ」」
https://ishipedia.jp/dictionary/diet-remedy/seasoning/agave-syrup/
Happy Quinoa「アガベシロップとは?原産地や栄養価などを徹底解説」
https://happy-quinoa.com/agavenectar/
USDA(アメリカ農務省)
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/170277/nutrients
わかさの秘密「サポニン」
https://himitsu.wakasa.jp/contents/saponin/