「穀物の王様」や「スーパーフード」と言われ、美容や健康にいいとされるハトムギ茶。「アトピー性皮膚炎の症状緩和に効く」とも言われ、アトピー性皮膚炎に悩んでいる方も注目されているのではないでしょうか。
そこで今回は、ハトムギ茶を飲むことでアトピー性皮膚炎が本当に改善されるのか、さまざまな資料から解説していきます。また、飲用する際の注意点についても紹介します。
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみを伴う湿疹が悪化と軽快を繰り返す慢性疾患のことです。花粉症や喘息がある方、また家族に同じような病気の人がいる方に見られるという特徴があります。乳幼児期に発症するケースが多いですが、成人になっても症状が続いている方や、成人になってから再発する方もいるようです。日本国内には125万人以上の患者がいると、厚生労働省の「患者調査(2020年)」で推計されています。
乾燥肌が大きな特徴で、皮膚のバリア機能が低下することで食物や環境中にある有害物質に過敏に反応してしまうことが要因と言われます。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の治療は一般的に薬で行われますが、症状を悪化させないようにスキンケアなどによって皮膚の状態を管理することも重要です。アトピー性皮膚炎は完全に治ることは少ないとされるからです。
ダニや花粉、ハウスダスト、ペットの毛などの環境アレルゲンに注意する一方、ストレスを溜めないようにするなど環境の整備も欠かせません。
ハトムギ茶がアトピー性皮膚炎に有効とされる理由
ハトムギ茶がアトピー性皮膚炎に有効と言われるのは、ハトムギに含まれるヨクイニンに免疫機能活性作用や抗炎症作用、抗アレルギー作用などがあるからです。詳しく見ていきましょう。
免疫機能を活性化する
ハトムギ茶の主成分であるヨクイニンには、「NK細胞を活性化する」「細胞障害性T細胞を活性化する」といった研究報告があります。特に知られているのが2004年の「健常人, 悪性黒色腫および成人T細胞白血病患者に対するヨクイニンの効果―NK活性とIFN-γの変動―」(神崎保、溝口志真子)です。ヨクイニンがNK活性を高めることで、疣贅(ゆうせい、小さなイボのこと)の病巣部位を消退させているとしています。
またマクロファージ系細胞に作用し、インターロイキン-1の産生増強によって免疫機能を活性化するとも考えられています。
アレルギー抑制効果
ヨクイニンには、ヒスタミンやTNF-αといったアレルギー症状の原因物質を抑える作用が報告されています。特に根には強力な抗ヒスタミン作用があり、これはベンゾオキサジノン系化合物によるものと考えられています。
このような抗ヒスタミン作用が働くことで、アトピー性皮膚炎や花粉症、ハウスダストなどによるアレルギー症状を緩和するとされています。
炎症を抑える効果
人間の細胞は、ウィルスや細菌といった有害な物資の攻撃を受けると、炎症反応が出てしまいます。具体的には、赤く腫れたり、熱を発することですが、ハトムギにはこの炎症を抑える効果も報告されています。特にハトムギの皮のエタノール抽出物に、抗炎症作用が認められていることが発表されています。
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下して、皮膚内部で炎症が起きるとさらに乾燥肌が進んでしまいます。しかし、ヨクイニンを摂ることで炎症を体の内側から抑えることができるため、アトピー性皮膚炎の症状の緩和にも期待できるのです。
皮膚の新陳代謝を促す作用
皮膚の細胞はターンオーバーと言って、日々新しく生まれ変わっています。古くなった細胞は、新しく生まれた細胞によって押し出されて、老廃物と一緒に体外に排出されます。
ヨクイニンは、このターンオーバーを活性化することが知られています。アトピー性皮膚炎になった皮膚も新しい細胞にどんどん生まれ変わらせてくれるため、肌の状態が改善することが期待できます。
体内の余分な水分を排出する作用
アトピー性皮膚炎の症状緩和には、水分調整が重要です。皮膚のバリア機能を高め、乾燥を防ぐことができるからです。ヨクイニンには利水作用があり、不必要な物質を体外に排出し、肝臓や腎臓の働きをサポートする作用があります。
単純に水分を排出すると皮膚の乾燥が進みますが、ヨクイニンの場合は体の水分が正しい場所に収まるような働きをしていると考えられています。そのためむくみが取れる一方、皮膚のバリア機能を高め、体の水分を十分に保ってくれるのです。
このようにハトムギ茶にはアトピー性皮膚炎の症状緩和に役立つ複数の作用があり、これらの相乗効果も期待できます。
ハトムギ茶を飲む際の注意点
ハトムギ茶には副作用はないとされますが、子宮収縮を促進する可能性があることが報告されています。そのため、妊娠中に飲用することは避けましょう。また、授乳中の安全性が証明された研究がないという指摘もあり、授乳中も飲用は控える方が無難です。
ハトムギはイネ科の植物なので、イネアレルギーがある方はアレルギー反応が出る可能性もあります。さらに利尿作用によって尿を排出する作用があります。ガブガブ飲み過ぎると脱水症状を引き起こす危険もありますので、過剰摂取はしないようにしましょう。何事も「適度」が一番体によくはたらきます。
アトピー改善のために良質のハトムギ茶を。太陽食品「有機はとむぎ茶」がおすすめ
美容や健康にうれしい効果が期待できるハトムギ茶ですが、良質な原料を使っている商品を選びましょう。ハトムギの効果・効能が、適切に得られない可能性があるからです。
そこで、おすすめしたいのが太陽食品の「有機はとむぎ茶」です。おすすめの理由は、有機栽培で生産された富山県産ハトムギを使用していることに加え、発芽活性を取り入れた製造方法です。水に浸したハトムギに熱を加えた後、発芽寸前まで活性させます。この発芽活性により栄養価が高められている上、防腐剤や化学調味料、香料が使用されていません。そのため、体に優しい健康茶として毎日飲用するのにおすすめなのです。
【まとめ】アトピー性皮膚炎には免疫活性化や抗炎症作用などを持つハトムギ茶
アトピー性皮膚炎は幼少期から発症し、完治が難しいことから一生付き合う人も多い病気です。強いかゆみから日常生活に悪影響が及ぶことも知られています。
今回のコラムでは「アトピーに効く」とされるハトムギ茶について、その説が正しいかどうか検証しました。肌の水分を調節する、免疫機能を高める、炎症を鎮めるなどの効果がハトムギにあることから、ハトムギ茶を飲むことでアトピー性皮膚炎の症状緩和に役立つことが期待できます。
ただし、個人差や体質の違いがあり、万人に有効とは言い切れません。また商品の質によっても効果・効能に違いがあると考えられます。
そこで、今回のコラムでは国内産のハトムギを使用した太陽食品の「有機はとむぎ茶」をおすすめしました。発芽寸前まで活性化させることで栄養価をさらに高めており、他のハトムギ茶とは異なる方法で作られています。気になる方は、ぜひご検討ください。