夏が近づくと見かけるようになる麦茶ですが、健康や美容にいいとされるハトムギ茶と混同している方も多いようです。同じ麦茶という文字はつきますが、原料はもちろん味や栄養、効能も違います。
そこで今回は、ハトムギ茶と麦茶の違いにスポットを当てて、味、栄養、効能などの違いを徹底比較していきます。
ハトムギ茶と麦茶の違い
ハトムギ茶と麦茶の違いについて、「原料」「味」「栄養」「効能」の4つの観点から比較してみましょう。下記の表は、それぞれの項目の違いを一覧にしたものです。
ハトムギ茶 | 麦茶 | |
原料 | ハトムギ(イネ科ジュズダマ属) | 大麦(イネ科オオムギ属) |
味 | 香ばしさが感じられる | 苦味がなくすっきりした味わい。独特の香ばしさと甘みが感じられる |
栄養 | ミネラル(カルシウム、鉄、マグネシウム、など)、アミノ酸(ロイシン、チロシン、バリン)、タンパク質、ビタミンB1、ビタミンB2、グルタミン酸、コイクセノライド、など | ミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウム、など)、リン、亜鉛、ナトリウム、炭水化物、食物繊維、ビタミン |
効能 | 美肌効果、アトピー性皮膚炎改善、肌荒れの改善、血流改善、代謝促進、デトックス効果、生活習慣病の予防・改善効果、など | 抗酸化作用、便秘改善、血流改善、虫歯予防、胃の粘膜保護、など |
具体的な違いについて、次の項目から詳しく見てみましょう。
ハトムギ茶と麦茶の原料の違い
ハトムギ茶と麦茶の原料はともにイネ科ですが、ハトムギ茶はジュズダマ属に属するハトムギ、麦茶はオオムギ属の大麦を使用して作られます。
ハトムギは一年草で、中国南部やインドシナ半島が原産と言われています。原種は水辺などによく生えているジュズダマです。日本では奈良時代に伝わったとされますが、本格的に栽培されるようになったのは1980年以降です。
一方の麦茶は、イネ科オオムギ属の大麦を焙煎して作ります。主に小粒大麦や大粒大麦のほか、はだか麦が使われています。麦茶の原型は平安時代お貴族の飲み物だった麦湯で、江戸時代になると庶民の飲み物として広がっていきました。
本来は温かい飲み物ですが、1950年頃から冷蔵庫が家庭で普及するようになり、冷やして飲むのが主流になりました。この頃から「麦茶」と呼ばれるようになります。
ハトムギ茶と麦茶の味の違い
ハトムギ茶と麦茶は、どちらも焙煎するため、同じように香ばしい味が特徴です。個人的な感覚にはなりますが、どちらかというとハトムギ茶のほうが番茶やほうじ茶などに近いと感じる方が多いようです。
また、麦茶は夏の風物詩となっているほどで、飲みやすくてのどごしが爽やかです。クセがなく、誰からも愛されているのも特徴と言えます。
ハトムギ茶と麦茶の栄養の違い
ハトムギ茶と麦茶は原料が異なるため、もちろん含まれている栄養も異なります。それぞれに分けて見ていきましょう。
ハトムギ茶に含まれている代表的な栄養成分
ハトムギは豊富な栄養価で知られており、「穀物の王様」や「スーパーフード」とも言われています。ハトムギの実を乾燥させたのが、薬膳や生薬として使用されているヨクイニンということからも栄養価の高さがうかがい知れます。
ビタミンB2は玄米以上とされ、カルシウムや鉄、食物繊維なども豊富です。またタンパク質が多く、アミノ酸もバランスよく含まれています。肌の新陳代謝を促す「コイクセラノイド」、脂肪の代謝を促す「9-ヒドロキシ-オクタデカン酸」といった特徴的な栄養成分も含まれています。
麦茶に含まれている代表的な栄養成分
麦茶には多彩なミネラルが含まれていることが知られていますが、汗をかいたときに不足するカリウムやナトリウムなどが特に豊富です。
亜鉛は皮膚や髪、粘膜の健康維持を補助する働きがあり、カルシウムやリンは骨や歯の健康に必要なミネラルです。このほか、食物繊維はサツマイモの4倍、精白米の17倍も含まれているとされます。また、ニンニクや玉ねぎの成分として知られるアルキルピラジンも含まれています。
ハトムギ茶と麦茶の効能の違い
ハトムギ茶と麦茶に含まれている栄養成分の違いを把握したところで、飲用することで期待できる効果・効能の違いについても見ていきましょう。
ハトムギ茶の飲用で期待できる代表的な効果・効能
ハトムギ茶を飲むと「イボが取れる」と広く言われており、美肌や健康づくりのために昔から愛用されています。ハトムギ茶の主要成分であるヨクイニンに含まれるコイクセラノイドが深く関わっており、そのため美肌効果に期待できます。
また、アレルギー抑制効果があり、花粉症やアトピー性皮膚炎の症状緩和にも役立つとされます。そのほか、デトックス効果、炎症を抑える効果、がんを予防する効果、生活習慣病の予防・改善効果などがあるとされています。
麦茶の飲用で期待できる代表的な効果・効能
ミネラルが豊富な麦茶は水分補給として飲まれることが多いですが、そのほかにもさまざまな健康効果に期待できます。例えば虫歯の予防です。麦茶に含まれているポリフェノールやメラノイジンの働きによるものとされます。
ほかには、カテコールなどのポリフェノールによる抗酸化作用、香り成分の一つアルキルピラジンによる血流改善効果、リラックス効果、特殊なジペプチドによる冷えの予防などにも期待できます。またラットによる研究ですが、胃の粘膜を保護する作用があることもわかっています。
おすすめは発芽活性が特徴の太陽食品「有機はとむぎ茶」
ハトムギ茶と麦茶にはそれぞれに効果・効能がありますが、商品選びも重要です。良質な原料を使って、丁寧に製造された製品を選ぶようにしましょう。
中でもハトムギ茶のおすすめは、有機栽培で生産された富山県産ハトムギを使用した太陽食品の「有機はとむぎ茶」です。ハトムギを水に浸し、熱を加えた後、発芽寸前まで活性させた発芽活性が特徴的で、これにより栄養価が高くなり、さらに風味もよくなっています。
もちろん防腐剤や化学調味料、香料は不使用。体に優しい健康茶に仕上げられています。
【まとめ】ハトムギ茶も麦茶も栄養が豊富。毎日の健康・美容づくりに
今回のコラムでは、ハトムギ茶と麦茶の違いについて徹底比較しました。原料が異なることから、含まれている栄養成分、期待できる効果・効能が異なります。どちらを選ぶか迷った際に、参考にしてくださると嬉しいです。
また、おすすめのハトムギ茶として、富山県産の有機ハトムギを使用した太陽食品の「有機はとむぎ茶」も紹介しました。発芽寸前まで活性化させることで栄養価をさらに高めているのが特徴です。毎日の健康・美容づくりにきっと役立つことでしょう。