日本では鎌倉時代から愛飲されていた桑の葉茶。健康成分が豊富で、様々な健康効果が得られるとされています。
そこで今回は、桑の葉のメリットとデメリットについて解説します。また肝臓に悪いという説がありますが、それは本当かどうか科学的根拠も交えて紹介します。
桑の葉茶とは?
桑とは、クワ科クワ属に属する落葉性の高木です。桑の葉は蚕のエサとして知られていますが、品種は養蚕用の「ヤマグワ」と、果実の収穫を目的とする「西洋桑」の大きく2つに分けられます。
桑の葉茶は桑の葉で作ったお茶のことです。中国では後漢時代から漢方薬として親しまれ、日本では鎌倉時代から「神仙茶」として愛飲されています。その栄養価の高さから、糖尿病や高血圧などの改善に用いられています。
桑の葉茶を飲むことで得られるメリット
桑の葉茶を飲むことで得られるメリットは、様々な健康効果が得られることです。代表的な5つについて、詳しく見てみましょう。
有効成分DNJが糖尿病を予防
桑の葉の有効成分のうち最も知られているのが、食後血糖値の上昇を抑えるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)です。ブドウ糖に似た構造をしているため、消化酵素のαグルコシダーゼが間違えて結合してしまいます。これによりブドウ糖の分解が妨げられ、食後血糖値の上昇が抑えられるという仕組みです。
DNJは特徴的な物質で、発見されているのは桑のほか数種の植物のみです。つまり、桑の葉以外から摂取するのが難しく、桑の葉だからこそ得られるメリットなのです。
また桑の葉には、窒素含有糖類似化合物であるファゴミンが含まれていることも知られています。このファゴミンには唾液分泌促進作用があることが確認されており、糖の代謝を調整するインスリンの分泌を促していると考えられています。
大腸を刺激して便通を改善
桑の葉茶を飲用することで、便通を改善する効果もあります。小腸ではなく、大腸で糖が分解・吸収されるようになるからです。
糖は主に小腸で分解・吸収されますが、消化しきれなかった分は大腸に届きます。その後、腸内細菌によって分解されて、いろいろな形に変換(発酵)されることになります。この際、炭酸ガスや水素ガスが発生することで大腸が刺激され、便通の改善につながるのです。
ダイエット効果が得られる
糖質制限ダイエットは、糖の摂取を控えることでインスリンの分泌を抑え、体脂肪を減少させることを目的に行います。糖は体を動かすのに必要なエネルギーになりますが、摂りすぎてしまうと脂肪として体に蓄積されてしまうからです。
前述したように、桑の葉茶には糖が体内に吸収されるのを抑える作用があります。つまり桑の葉茶を飲用することによって、効果的に体脂肪をエネルギーとして使用するため、ダイエット効果にも期待できるのです。
悪玉コレステロールを抑える
桑の葉には悪玉コレステロールを抑える効果があることも報告されています。その要因は桑の葉から見つかった新成分のQ3MGというポリフェノールです。マウスに桑の葉を与える実験では、動脈硬化を起こした面積が小さくなったことも確認されています。
またQ3MGが肝臓のストレスを改善し、より血糖値を下げやすくなるという研究も行われています。
血管を拡張して高血圧を改善
桑の葉には、そのほかに豊富な栄養成分が含まれています。代表的なのが鉄分や亜鉛、カルシウム、カリウムなどです。日本人が不足しがちな栄養成分が多いのが特徴で、様々な健康効果にも期待できます。
特に注目されているのがGABA(γ-アミノ酪酸)です。GABAはアミノ酸の一種で、神経伝達物質として働きます。交感神経の働きを抑える作用が認められており、血管を収縮させるノルアドレナリンの分泌を抑制することで血管が拡張すると考えられています。そのため、高血圧の改善にも期待されているのです。
桑の葉茶を飲むことのデメリット
桑の葉茶には副作用はないとされますが、豊富な栄養成分が含まれているため過剰摂取することで体調に影響が出る可能性もあります。詳しく見てみましょう。
お腹がゆるくなる
桑の葉茶には食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境の改善などのメリットがあります。その一方、過剰摂取してしまうとお腹がゆるくなる可能性があります。
また、糖を小腸ではなく大腸で分解することが多くなるため、腸内環境が変化することもあります。下痢などの症状が一時的に見られるケースも報告されています。
トイレが近くなる
桑の葉茶には、利尿作用のあるカリウムが多く含まれています。カリウムには余分なナトリウムを排出するためむくみの解消にも役立ちますが、トイレに行く頻度が多くなる可能性もあります。
特に夏など汗をかきやすい環境だったり、高齢者の場合は脱水症状に気を付ける必要があります。また、腎臓機能の低下により、カリウム制限を行っている方は摂取を控えるようにしましょう。
桑の葉茶は肝臓に悪い?
「桑の葉茶は肝臓に悪い」という説がありますが、実際には肝機能を改善するという研究結果があります。それはポリフェノールの一種であるフラボノイドやビタミンB1をはじめ、肝機能を改善する作用を持つ栄養成分が豊富だからです。
またマウスによる実験ですが、脂肪肝から肝硬変、さらに肝細胞がんへの進行を防ぐことも報告されています。マウスに桑の葉粉末を投与する形で行われ、肝細胞がんへの進展は見られなかったとしています。
参考:「桑葉はNASHを予防・改善する食品素材となりうるか」
おすすめは布袋農園の「国産有機桑の葉粉末」
桑の葉茶は様々な商品が市販されていますが、おすすめは布袋農園の「国産有機桑の葉粉末」です。有機栽培された九州産の桑の葉を100%使用したパウダータイプの桑の葉茶です。
飲みやすい微細なパウダーなので、ティーバッグタイプの桑の葉茶と比べて、桑の葉の栄養をまるごと飲めるのが良い点です。
一度蒸してから乾燥させるこだわり製法を採用しており、桑特有の匂いを抑えているので、とにかく飲みやすい。もちろん保存料や着色料、香料、酸化防止剤などの添加物は一切使用しておらず、オーガニックなので安心して飲むことが出来ます。
お召し上がり方法は、お水かお湯を注いだコップに1〜2gを入れてよくかき混ぜた後に150〜180mlの水またはお湯を注ぎます。食前または食事中に摂取することで、食後の血糖値上昇を抑えることに期待が持てます。お酒が好きな方は、焼酎で割る桑葉ハイもぜひ試してみてください。
【まとめ】血糖値が気になる方には特におすすめの桑の葉茶
古くから愛飲されてきた桑の葉茶について、メリットとデメリットを紹介しました。特有の成分により血糖値抑制に優れているほか、ダイエット効果、整腸作用などにも期待できます。また肝臓に悪いと言われていますが、反対に肝機能が改善するといった研究結果が得られていることも紹介しました。
桑の葉茶を試してみたいという方は、有機栽培で生産された九州産桑の葉を使用した布袋農園の「国産有機桑の葉粉末」がおすすめです。パウダータイプなのでお酒やヨーグルトに入れたり、お菓子を作る際に使うこともできます。ぜひご検討ください。