「冷えは万病のもと」と言いますが、それは体温が下がることで免疫力が低下したり、自律神経の乱れから肩こりやむくみなどさまざまな不調が引き起こされてしまうからです。そこで注目を集めているのが「温活」です。
でも、「温活って具体的に何をすればいいの?」「何が自分に合っているの?」と悩む方も多いでしょう。今回は、「温活として何をすればいいのか」を解説するとともに、温活に適した食べ物と飲み物も紹介します。
温活が注目されている理由とは?
体を温める「温活」が注目されているのは、体温を維持することが健康維持・増進や美容に関わるからです。
人間の体に備わっている免疫細胞が正常に働ける体温は36.5度と言われ、1度下がると免疫力は30%も下がると言われます。反対に体温が1度上がって37.5度になると、免疫力は最大で5〜6倍になるとされます。つまり体温が低い状態が続くと、病気になりやすいのです。
しかし日本人の平均体温は、運動量の低下やエアコン生活、ストレスなどにより、50年前から0.7度下がっているとされます。そのため意図的に温活をして体温を上げることで、健康に役立つと考えられるのです。
また冷えを放置しておくと、筋肉が固まりやすくなり血行不良になります。そのため、肩こりや疲れ目、むくみ、生理不順などの体調不良につながります。温活をして基礎体温を引き上げることで、こうした体調不良を防ぐこともできます。
温活でやるべきこととは?
温活とは、体を冷やさないこと、または体温を上げることを目的にする活動のことです。生活にすぐに取り入れられる方法を紹介します。
温活アイテムを着用する
体が冷えていては体温を上げることはできません。そこでマフラーや手袋、アームウォーマー、レッグウォーマーなどを使って体を温めるようにしましょう。
特に温めたい箇所は、動脈が集まっている首、手首、足首などです。肌触りのいいものを使うと、リラックス効果も得られます。
お風呂に浸かる
冷えた体を瞬時に温めるには全身浴が効果的です。ただし、熱いお湯よりも、38度〜40度くらいのぬるいお湯にじっくり浸かることがおすすめです。
自律神経の興奮が抑制されるため、リラックスしやすくなるのと湯冷めしにくくなるからです。手足が冷たい、時間がないといった際は、手湯や足湯だけでも温活になります。
運動をする
体を動かすことで筋肉に刺激が入るため、血流が良くなります。そのため体温も上がりやすくなります。また、運動すると心肺機能の動きが速くなるため、それによっても血流が上がります。
運動することで筋肉量が増えるのもおすすめポイントです。筋肉量が増えると基礎代謝が上がるため、体温が下がりにくくなります。
エスカレーターの代わりに階段を上る、1km程度の道のりなら徒歩で行くなど、普段の生活に馴染む軽い運動から取り入れてみましょう。
マッサージをする
筋肉のコリは血行不良につながり、冷えにもつながってしまいます。そのためコリをほぐすためにマッサージやストレッチ、ヨガなどを日常に取り入れましょう。ツボ押しや姿勢の矯正などもコリ改善にはおすすめです。
朝ごはんを食べる
朝ごはんを食べるのも温活の一つです。内臓が活動を開始し、エネルギーを生産するからです。ごはんを食べた後に体が熱くなったり、汗をかくのは内臓が働いた証拠なのです。
朝が苦手、朝は忙しいという場合でも、お味噌汁やヨーグルト、バータイプの栄養補助食品などを食べると体温の上昇につなげられます。
体を温める食べ物や飲み物を摂る
体を内側から温めるには、体を温める食べ物や飲み物を摂ることです。特に寒い地域や冬に穫れる野菜などを摂取することで、効率的に体を温めることができます。
また、飲み物の場合は生姜湯やココアなどのホット飲料がおすすめです。次の項目から詳しく解説していきます。
温活に適した食べ物とは?
前述したように体を温める食べ物は、寒い地域や冬に穫れる野菜などが代表的です。そのほかにもありますので、以下の表を確認してください。
項目 |
代表的な食品 |
概要 |
寒い地域で穫れる野菜/冬野菜 |
白菜、ニラ、春菊、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、など |
豊富なビタミンやミネラルが血行促進して体を温めます。加熱調理することで、さらに温活効果が。 |
根菜類 |
ごぼう、にんじん、れんこん、大根、タマネギ、ショウガ、など |
水分が少なく、豊富なビタミンEやミネラルが血行を促進して体を温めます。 |
発酵食品 |
味噌、納豆、漬物、など |
豊富な酵素が分解や代謝などの働きを助けます。 |
タンパク質が豊富な食材 |
鶏肉、魚、エビなど |
タンパク質を摂ることで筋肉量が増え、基礎代謝が上がります。また、タンパク質は分解される際に熱を生み出します。 |
ビタミンB1が豊富な食材 |
豚肉、玄米、そば、大豆、など |
糖を代謝してエネルギーを産生する働きがあり、その際に熱を生み出します。 |
ビタミンCが豊富な食材 |
柑橘類、アセロラ、ブロッコリー、パプリカ、など |
鉄分の吸収を促進し、毛細血管を丈夫にするため、血行促進に役立ちます。 |
ビタミンEが豊富な食材 |
うなぎ、ナッツ類、アボカド、なたね油、あまに油、など |
末梢血管を拡張する作用に加え、抗酸化作用によって血液のドロドロ化を防ぎます。 |
その他 |
カボチャ、トウガラシ、ココア(カカオ)、シソ、など |
|
温活に最適な食べ物として、代表的な3つについて解説します。
ニンジン
野菜にはそれぞれ解毒や排泄を助けるなどの作用があり、健康維持・増進に役立ちます。中でも寒い地域で穫れる野菜または冬野菜は水分が少なく糖度が高いため体を冷やすことがなく、ビタミンEが豊富で体を温める働きがあります。
ニンジンは根菜類に分類され、収穫期が10月〜12月の冬野菜です。ビタミンAの一種であるβ-カロテンが緑黄色野菜の中で最も多いことが知られていますが、血管の維持に役立ち、血流改善に効果的と考えられています。その他、豊富なビタミンCやビタミンE、ミネラルが体内で熱を作り出して体を温めてくれます。
カボチャ
カボチャは、市場に出回るのが秋から冬なので冬野菜のように思われますが、収穫期は6月〜9月。そのため夏野菜に分類されます。
夏野菜でありながら、ビタミンEやビタミンC、β-カロテンなどの体を温める栄養素が豊富なため、体を温める作用がある野菜として知られています。
「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われるのも、そのためです。
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トウガラシ
トウガラシを食べると体が熱くなり、汗が出てきますが、辛味成分であるカプサイシンがアドレナリンの分泌を促進するからです。血管が拡張され、血流も改善されます。
ただし汗が蒸発すると体温を下げてしまうため、汗だくになるほどトウガラシを食べると逆効果になる可能性もあります。調味料として適量を入れる程度にしましょう。
温活に適した飲み物
体温を上げたい時にすぐに実行できるのが、温かい飲み物を飲むことです。中でもより効果的な飲み物を紹介します。
生姜湯
ショウガには、血管の拡張効果がある辛味成分ジンゲロールが含まれています。そのため血流が良くなり、体温を効率的に上げることができます。またジンゲロールは加熱したり、乾燥させるとショウガオールという成分に変わります。このショウガオールには体の中から熱を作り出す働きもあります。
ただ、自宅で生姜をおろして飲もうとすると、辛すぎたりお砂糖を入れすぎたり...意外と健康的に美味しく飲むことが難しかったりします。
そこで、市販の生姜シロップなどを使用するのもおすすめです。ただし砂糖がたくさん入っている商品も多いので、原材料表を確認して「先頭」に生姜と表記があるものを選びましょう。なぜなら原材料は原則、多く含まれている順から表記する決まりだからです。
ホットココア
ココアには、抗酸化物質のカカオポリフェノールが豊富に含まれています。そのため血流が改善されて、体温が上がりやすくなります。
鉄分も豊富なため貧血予防になりますが、砂糖を入れすぎるとカロリー過多になる可能性があるため、飲み過ぎには注意しましょう。
シナモンティー
シナモンには、血行促進に有効とされるシンナムアルデヒドが含まれており、血流改善に期待できます。漢方では桂皮と言い、同様に冷え性や血流改善などに用いられます。
シナモンスティックを紅茶に入れるだけで簡単にシナモンティーになりますが、スティックがない場合はパウダーでも構いません。
【まとめ】温活を日常に取り入れて、寒い時期でも冷えを撃退
夏の暑さ、エアコン生活などで秋から冬にかけて自律神経は乱れがちになります。気温が下がるだけではなく、そうした体調の変化も「冷え」につながってしまいます。温活しながら、万病の元である冷えを撃退しましょう。
今回は、温活でやるべきこととして、運動やマッサージ、朝ごはんの重要性を解説しました。また効率的に体温を上げるために、温活に適した食べ物や飲み物を紹介しました。ぜひ普段の生活に取り入れて、楽しく、無理なく温活しましょう。