酒粕は健康や美容に良いとわかっていても、気になるのがアルコールです。酒粕は日本酒の製造過程でできる副産物ですから、アルコールは必ず含まれてしまいます。
そこで人気を集めているのが、アルコールを含まない酒粕パウダーです。
今回のコラムでは、ノンアルコール製法で製造された酒粕パウダーの魅力を紹介しますので、特にお酒が苦手という方は要チェックです。
酒粕にはビールなどよりも多いアルコールが含まれる
文部科学省の「食品成分データベース」によると、以下のように100gの酒粕には8.2gのアルコールが含まれています。つまり、アルコール度数は8.2%ということになります。
エネルギー |
215kcal |
水分 |
51.1g |
タンパク質 |
14.9g |
脂質 |
1.5g |
炭水化物 |
23.8g |
灰分 |
0.5g |
食塩相当量 |
0g |
アルコール |
8.2g |
酒粕のアルコール度数は、15%程度の日本酒やワインよりは低いですが、アルコール度数が3〜5%のビール、アルコール度数が7%前後の缶チューハイよりも高い、つまりアルコールが強いということがわかります。
実は、酒粕の元ととなるもろみのアルコール度数は20度前後になります。日本酒は米、こうじ、水などをタンクに入れ、20〜30日間かけて発酵させます。この際、米のデンプンがこうじの酵素で糖に分解され、さらに糖が酵母によって発酵する際にアルコールと炭酸ガスに変わります。
酒粕は、このもろみを絞って日本酒を作る後に残った固形物です。そのため酒粕にもアルコールが含まれているのです。
酒粕のアルコールは完全に抜けない?
料理をする際に、ワインや日本酒などのアルコールを飛ばすこともあります。沸騰させたり、フライパンで加熱するといった方法で行いますが、市販されている酒粕の場合、加熱してもアルコールは完全には飛ばないとされます。
それは市販の酒粕が固体だからです。ワインや日本酒は液体なので加熱することでアルコールは飛びますが、酒粕の場合は固形の中にアルコール分が練り込まれているため、アルコールが飛んでいかないのです。
「京都府中小企業技術センター」で行われた酒粕を有効利用するための実験では、「酒粕を120度で加熱処理をしても2%ほどのアルコール分が残った」と報告しています。つまり、酒粕は加熱をすることである程度のアルコールは飛びますが、完全にアルコールを飛ばすことはできないことが研究によって実証されているのです。
そこで酒粕のアルコールが気になる方に紹介したいのが、製造過程でアルコールを飛ばしている酒粕パウダーです。中でも「純米大吟醸酒粕パウダー」について詳しく紹介しましょう。
ノンアルコールで摂りやすい「純米大吟醸酒粕パウダー」
「純米大吟醸酒粕パウダー」は、自然豊かな宝塚の奥地で育った酒米である山田錦100%で作られた純米大吟醸酒粕から製造した商品です。
可能な限り栄養素を残し、乾燥する際にアルコール分を飛ばしているのが特徴です。そのため、アルコールが嫌いな方、お酒が飲めない方、アルコールの匂いが苦手な方でも、日常の生活に酒粕を取り入れることができます。
また、アルコールを摂取することでじんましんなどが出てしまうアルコールアレルギーという症状を持っている方もいます。コロナ禍でアルコール消毒を頻繁に行うようになって注目された症状で、アルコール過敏症とも言われます。じんましんのほかには、呼吸困難やのどの閉塞感、皮膚のかゆみ、ほてり、頭痛といった症状が出てしまう方もいるようです。
「純米大吟醸酒粕パウダー」の場合、このようにアルコールを受け付けない体質の方、病気療養中の方や妊婦の方が間違ってアルコールを摂ることもありません。
酒粕パウダーに期待できる効果
米やこうじを発酵させてできた酒粕には、たんぱく質や食物繊維、ペプチド(アミノ酸が2つ以上結合したもの)、アミノ酸、ビタミンといった600以上の栄養素が含まれます。さらに、こうじなどからできた100種類以上の酵素を含んでいるとされます。
そのため酒粕にはさまざまな健康・美容効果に期待できますが、特に女性にとってうれしいのは次の3つの効果です。
アンチエイジング効果
麹菌によって生産されるペプチドであるデフェリフェリクリシンには、活性酸素を消去するスーパーオキシドディムターゼ(SOD)様活性があります。また、酒粕の分解物に含まれる7種類のペプチドには、抗酸化作用があることがわかっています。
これらによって体内細胞の酸化を抑制するため、アンチエイジング効果があるとされています。
美白・美肌効果
デフェリフェリクリシンには、皮膚バリア機能を改善させるフィラグリン量を増加させる働きがあります。そのため、肌の水分量を保ったり、潤いを与えるなど、美肌づくりをサポートしてくれます。このほか、抗酸化成分のフェルラ酸、シミ予防に用いられるアルブチンなど、美白・美肌づくりに欠かせない成分も含まれています。
ダイエット効果
酒粕には、腸内で食物繊維のような働きをするレジスタントプロテインという成分が含まれています。余分な脂を排出するため便秘改善に役立つほか、免疫力の強化やダイエットにも役立ちます。また、コレステロールを調整する役割も果たしています。
【まとめ】アルコールを気にすることなく、普段の生活に酒粕の健康・美容効果を
日本酒を製造する際に生まれる酒粕を摂ることで、さまざまな健康・美容効果に期待することができます。しかし、お酒が嫌いな方やお酒を受け付けない体質の方、病気療養中の方などは、アルコールが含まれていることもあり、普段の生活に取り入れるには難しいと感じているでしょう。
そこで今回のコラムでは、乾燥時にアルコールを飛ばすノンアルコール製法で作られた「純米大吟醸酒粕パウダー」を紹介しました。お味噌汁やヨーグルトにふりかけたり、調味料として食事の際に使えるほか、美容パックにしたり、入浴剤としても利用できます。アルコールを気にすることなく、手軽に酒粕の健康・美容効果を取り入れることができますので、ぜひお試しください。